都営住宅にお住まいの方、検討している方の共通の悩みとして「設備が古くなってきたけれどリフォームできるの?」というものがあります。
実は、都営住宅でも一定のルールのもとでリフォームが可能です。その仕組みのひとつが 「模様替え申請・模様替え届の手続」 です。この記事では、その概要や流れ、実際の事例についてわかりやすく解説していきます。
都営住宅でのリフォームの特徴
民間の賃貸住宅とは異なり、都営住宅は東京都が管理しているため、自由に工事をすることはできません。
ただし「模様替え申請」「模様替え届」という制度を利用することで、都が認めた範囲内で安心して工事を依頼することが可能です。
特に、老朽化した設備や生活スタイルに合わない間取りなどを改善できるため、多くの入居者の方に活用されています。
模様替え申請(許可制)
「模様替え申請書」を提出し、都が承認すれば施工可能になります。許可された場合は「許可書」が発行されます。
模様替え申請の具体例
| 工事内容 | 補足説明 |
| 畳→フローリング張替え/段差解消 | フロア化による段差解消も対象 |
| 浴槽・風呂釜の交換 | 使用設備の交換 |
| 調理台・洗面台の改修・交換 | キッチン・洗面所設備のアップグレード |
| 便器の改修 | トイレ設備の更新 |
| 身体障害者用リフト設置 | バリアフリー対応設備の導入 |
模様替え届(届出制/受理制)
身体障害などによる事情がある場合に、申請ではなく「届出」で済むケースもあります。届出が受理されれば工事を進めて構いません。さらに、身体障害の有無に関わらず届出のみで可能な工事もいろいろとあります。
模様替え申請(許可制)は大掛かりな工事、模様替え届(受理性)は軽微な工事というイメージかと思います。
模様替え届の具体例
| 工事内容 | 補足説明 |
| 手すりの設置 | 廊下・居室・浴室・トイレなどに取り付け可能。高齢者や障害者の転倒防止に有効。 |
| 段差の解消 | スロープの設置、敷居撤去などでバリアフリー化。 |
| 玄関扉への補助錠(二つ目の鍵)設置 | 防犯対策として設置可能。身体障害の有無に関係なく届出でOK。 |
| 温水洗浄便座の設置 | トイレに後付け設置可能。撤去・原状回復が前提。障害の有無に関係なく届出でOK。 |
| 浴室ドアを中折れ式ドアに取り替える | 開口スペースの確保や転倒防止のために交換可能。 |
| インターホンの設置(カメラ付き含む) | 防犯・来客対応の利便性向上。身体障害の有無に関係なく届出でOK。 |
体験談
1. 畳からフローリングへの張替え
アレルギーがあり、畳のダニやカビで困っていました。模様替え申請を出して許可をもらい、フローリングに変更。掃除がしやすくなり、空気も快適に感じます。近隣への騒音を考えて工事日を平日に調整してもらえたのも助かりました。
2. 浅い浴槽への交換
高齢の母が深い浴槽をまたぐのが大変だったので、申請をして浅型浴槽に交換しました。介助もしやすくなり、転倒の心配が減って安心しています。
3. 手すりの設置
足腰が弱ってきたので、廊下とトイレに手すりを設置。届出だけで済んだので思ったよりスムーズでした。壁の強度を考えて下地を探して取り付けてもらったのがポイントでした。
4. 補助錠やインターホン設置
空き巣被害のニュースを聞いて不安になり、補助錠とカメラ付きインターホンを設置。工事は半日で済み、心理的にも安心感が増しました。
施工の注意点
1.必ず許可・届出を済ませてから工事すること
無断工事は違反になり、退去時にトラブルになる可能性があります。
2.原状回復が前提
退去時には元の状態に戻す義務があるため、工事内容は「戻せるかどうか」を考慮しておく必要があります。
3.近隣への配慮
騒音・振動が出る工事は事前に近隣住民に案内しておくのがマナーです。
4.安全性を優先すること
手すりや補助錠などは「自己施工」も可能ですが、強度不足だと事故や防犯上のリスクになるため、可能なら専門業者に依頼した方が安心です。
5.費用負担は入居者本人
基本的にリフォーム費用は自己負担です。見積もりを複数とって比較検討することをおすすめします。
6.工事後の管理責任
設置した設備(温水洗浄便座やインターホンなど)は入居者が責任を持って管理する必要があります。
見積もりのコツ5選
1. 複数の業者から相見積もりを取る
最低でも2〜3社から見積もりを取りましょう。金額だけでなく、工事内容・保証・工期を比較することが大切です。安さだけで決めると後で追加費用が発生することもあります。
2. 希望内容を具体的に伝える
「畳をフローリングに」「浴槽を浅型に」など、リフォームの目的と要望を明確に伝えることが重要です。あいまいにすると不要な工事を提案され、費用が膨らむ原因になります。
3. 原状回復費用も確認する
都営住宅は退去時に「元の状態に戻す」義務があります。工事の見積もりと同時に、原状回復にかかる費用も確認しておくと安心です。
4. 保証・アフターサービスをチェックする
工事後に不具合が起きた場合、どこまで業者が対応してくれるか確認しましょう。保証期間が明記されているか、アフターフォローの有無は必ず確認ポイントです。
5. 工期と生活への影響を確認する
住みながら工事をする場合、工期がどのくらいかかるかは生活に直結します。工事時間帯や日数をきちんと確認し、生活に支障が出ないよう調整しましょう。
模様替え申請/模様替え届の場所
JKK東京のこちらのサイトから入手可能です。

今回の記事は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。


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