はじめに
都営住宅2月の定期募集が近づいてきましたが、2月・8月の募集はポイント方式が適用されます。
そのため、これから申込みを考えている方、初めて家族向け都営住宅に挑戦する方にとって、今の時期にポイント方式の考え方を理解しておくことは非常に重要です。
本記事は、そうした2月・8月募集を見据えた初心者向けの基礎解説としてまとめています。
何がポイントになるのか?
- どれが重要なのか?
- どういう人が当たりやすいのか?
は、正直かなり分かりづらいですよね。
この記事では、都営住宅に初めて申し込む方向けに、
- ポイント方式の考え方
- 重要そうな項目
- なぜ倍率が高くても当たる人がいるのか
を、できるだけ噛み砕いて解説します。
※なお、東京都はポイントの配点を公式には公表していません。本記事は募集要項や過去の傾向から読み取れる「想定・推測」に基づく解説です。
都営住宅の「ポイント方式」とは?
まず大前提として、都営住宅は完全な運ゲー(単純抽選)ではありません。
実際には、
- 申込者それぞれに「生活の困窮度」をもとにポイントが付けられる
- 一定以上のポイントを持つ人たちが
- その中で抽選される
という流れになっています。
つまり、
倍率が低い団地を狙えば当たる
というよりも、
ポイントが高いグループに入らないと、そもそもスタートラインに立てない
という仕組みです。
ポイントのウエイトは公表されていない
ここでよくある疑問が、
「じゃあ、何点もらえるの?」
というものですが、これは非公開です。
ただし、募集要項をよく読むと、
- 何が重視されているか
- どんな世帯が優遇されているか
は、かなりはっきり見えてきます。
そこで次からは、初心者向けに分かりやすく「重要度(ウエイト)」という形で整理していきます。
想定されるポイント項目とウエイト
① 世帯収入(最重要)
※ここは初心者の方が一番つまずきやすく、かつ当落を大きく左右するポイントなので、少し詳しく見ていきます。
重要度:★★★★★(最重要)
都営住宅で一番重視されているのは、間違いなく「世帯収入」です。
- 収入が低い
- 家賃負担が重い
この状態の世帯ほど、ポイントは高くなると考えられます。
特に、
- 非課税世帯
- 収入がほぼない世帯
は、最優先層です。
逆に言うと、
- 収入基準ギリギリ
- 共働きで世帯収入がそこそこある
場合は、ここで大きく不利になります。
どのくらい収入が低いと有利なのか
都営住宅では、募集区分ごとに収入基準の上限が定められていますが、
上限ギリギリだからといって有利になるわけではありません。
むしろ実態としては、
- 上限の 5〜6割以下
- 非課税世帯レベル
このあたりから、明らかに有利になってくると考えられます。
感覚的には、
- 収入基準の「下の方」にいるほどポイントが高い
というイメージです。
収入は「いつのもの」が見られる?
原則として、都営住宅で判定に使われるのは、
直近の確定した収入(前年度)
です。
具体的には、
- 前年の所得証明書
- 課税(非課税)証明書
など、公的書類で確認できる数字が基準になります。
そのため、
- 直近で失業した
- 収入が急に下がった
といった場合でも、すぐには反映されないケースがあります。
ただし、
- 失業
- 病気
- 離婚
など、生活状況が大きく変わった場合は、個別事情として考慮される可能性もあります(要確認)。
ボーナス・手当・年金はどう扱われる?
初心者の方が見落としがちなのが、
「どこまでが収入に含まれるのか」
という点です。
基本的には、
- 給与(ボーナス含む)
- 各種手当
- 年金収入
など、課税対象になるものは、ほぼ収入としてカウントされます。
一方で、
- 児童手当
- 一時的な給付金
などは、原則として収入に含まれません。
よくある勘違い
初心者の方によくあるのが、
「基準内に収まっていれば条件は同じ」
という考え方です。
実際には、
- 同じ募集区分でも
- 収入の低さによって
スタート地点がまったく違うと考えた方が現実的です。
都営住宅では、
収入基準は「参加資格」
ポイントは「優先順位」
という位置づけになっています。
② 住宅の困窮度
重要度:★★★★☆
次に重いのが、「今の住まいがどれだけ厳しいか」です。
たとえば、
- 立退きを求められている
- 建物の取り壊し予定がある
- 著しく狭い(最低居住面積を下回る)
- 老朽化が激しい
といった理由は、かなり強い加点要素になります。
一方で、
- 親族宅に同居している
- 特に緊急性はない
といったケースは、ポイントが伸びにくい傾向です。
③ 勤務先との距離(通勤の困難さ)と就労状況
重要度:★★★☆☆(単独では弱いが、評価に影響する重要要素)
ポイント方式では、
現在の住まいから勤務先へ通勤することが、どれだけ生活上の負担になっているか
という点も、一定程度考慮されていると考えられます。
具体的には、
・勤務先までの距離が極端に遠い
・通勤時間が著しく長い(片道1.5〜2時間以上など)
・早朝・深夜勤務で公共交通機関の利用が難しい
・育児や介護と通勤の両立が現実的に困難
といった事情がある場合、
就労を継続するうえで住環境に無理が生じているとして、
生活困窮度の一部として評価される可能性があります。
ただし注意点として、
・「職場の近くに住みたい」
・「通勤を楽にしたい」
といった希望ベースの理由だけでは、ポイントが付くとは考えにくいです。
あくまで、
・現在の住まいに住み続けることで
・就労の継続そのものが難しくなっている
と客観的に説明できる場合に限り、意味を持つ項目です。
無就労の場合はどう評価されるのか?
「無就労だとポイント方式は厳しい」と言われることがありますが、
就労していないこと自体が、直ちに不利になるわけではありません。
無就労であっても、
・高齢による無就労
・病気や障害により就労が困難
・ひとり親で乳幼児を養育している
・家族の介護を担っている
など、合理的な理由がある場合は、
生活困窮度が高い世帯として評価され、ポイントが下がるとは考えにくいです。
一方で、
・就労可能な年齢・状態である
・無就労について特段の事情が説明できない
といった場合は、
・生活の継続性
・将来的な家賃支払い能力
の面で慎重に見られ、
ポイントが伸びにくくなる傾向があると考えられます。
この項目の位置づけ
勤務先との距離(通勤の困難さ)や就労状況は、
単独で当落を左右する決定的な要素ではありません。
実際には、
・世帯収入
・住宅の困窮度
・ひとり親世帯・高齢者世帯・障害者世帯などの属性
といった主要なポイント項目を、
補強する補助的な要素として働く位置づけが現実的です。③ 世帯の属性(高齢者・ひとり親など)
重要度:★★★★☆
都営住宅では、特定の属性を持つ世帯が明確に優遇されています。
代表的なのは、
- 高齢者世帯
- ひとり親世帯
- 障害者のいる世帯
です。
これらに該当する場合、収入や住宅事情が同じでも、ポイントで一気に差がつくことがあります。
複数の条件が重なると、さらに有利になると考えられます。
④ 世帯人数と住居の過密度
重要度:★★★☆☆
- 世帯人数が多い
- 今の部屋が明らかに狭い
といった場合も、一定の加点はあると見られます。
参考ですが、「国交省の最低居住面積水準」では
- 2人 30㎡
- 3人 40㎡
- 4人 50㎡
となっているので、これを下回ると狭い、大きく下回るとすごく狭いとなりそうです。
ただし、人数が多くても収入が高い場合は、①の世帯収入で相殺されるため、決定打にはなりにくい項目です。
⑤ 継続申込(申込回数)
重要度:★★☆☆☆
何回も申し込んでいる人が、多少優遇される仕組みもあります。
- 10回以上
- 20回以上
と回数を重ねるほど有利になる傾向はありますが、
回数だけで当たる
ということは、ほぼありません。
あくまで、同じような条件の人が並んだときの補正要素と考えるのが現実的です。
想定ウエイトのまとめ(初心者向け)
| 項目 | 重要度の目安 |
|---|---|
| 世帯収入 | 非常に高い |
| 住宅困窮度 | 高い |
| 世帯属性(高齢者・ひとり親・障害者世帯等) | 高い |
| 勤務先との距離・就労状況(通勤の困難さ) | 中程度 |
| 世帯人数・過密 | 中程度 |
| 継続申込回数 | 補助的 |
なぜ「倍率が低くても当たらない」のか
初心者の方がよく勘違いしがちなのが、
倍率が低い団地を選べば当たりやすい
という考え方です。
実際には、
- その団地に集まる申込者の「ポイント層」が高い
場合、倍率が低く見えても、ポイント不足で弾かれることがあります。
都営住宅は、
団地選びの前に、まず自分の立ち位置(ポイント層)を知る
ことが重要です。
まとめ
都営住宅のポイント方式は、
- 低所得
- 住宅に困っている
- 社会的配慮が必要な世帯
を優先する仕組みです。
そのため、
- 収入がそこそこある世帯
- 緊急性が低い世帯
は、どうしても不利になります。
ただし、仕組みを理解しておくことで、
- 期待値の高い募集区分を選ぶ
- 無駄な落選を減らす
ことは可能です。
まずは「倍率」よりも、ポイント方式の考え方を知るところから始めてみてください。

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